レコードに充たされる


 

スピーカーから、針がレコード盤に着地した音が聞こえ、ほっとした間もなく、聞こえてきました。
モーツァルトの40番 g mollの弦の柔らかい響き。
今そこにヴァイオリンを弾いている人がいて、管楽器奏者もそこにいる、と指させるような感覚。臨場感。
レコードとはこんなに良い音だったのだ、と改めて感心し、ドキドキするほどの幸福感を味わいました。

CDが世に出てきた時はそのクリアさに驚き、デジタルはすごいと感激した記憶があります。
なのでレコードはもう聴けないだろうと思っていましたが、とんでもない!レコードも素晴らしいものです。

ほとんど半世紀も前の録音だというのに今、目の前で演奏しているような時を超えた不思議な感覚。

今の若い人はレコードどころかCDももう過去のものになりつつあるのでしょうか?
ヘッドホンではなく空気を伝わる音として聴くのはやはり違うと思います。
もちろんコンサート会場で生の演奏を聴くのが一番でしょう。

しかし部屋でお気に入りのステレオの前で誰に邪魔されるでもなく自分の好きな音楽を、ひとり占めできる、これもたまらない!とマニアの気持ちがわかったような気分です。

ということでスピーカーとアンプの接続は成功、その苦闘をはるかに超える充実感を味わい、苦労はすっかり消え去りました。

生徒さんにもこのステレオでレコードを聴いてもらいたいと思っています。反応が楽しみです。

2019年07月15日