米ひと粒

ピアノという楽器はふたさえ開ければすぐ弾くことができます。

それに対してヴァイオリンなどは、ケースを開け、調弦をし、弓に松脂をぬったりと弾くまでに準備が必要です。大変だなあと思いますが、そういった準備の時間も楽器を弾く前に気持ちを整える時間として必要なことかもしれません。

時間がない時など、直前まで全然違うことをしていたのに、ピアノまで走ってきて椅子に腰掛けながらピアノのふたを開け、座ると同時に弾いているなんていうときがあります。心も体も何の準備もしないで。

その結果とても恥ずかしく残念なことがありました。

ある時弾いていて、鍵盤を押すとギーッといやな音がするところがあるのです。このまま弾き続けるとピアノにとって良くないことが起こりそうな気がして、即、調律師の方に来ていただきました。

鍵盤を引き出して見ていただいていると、ポロっとひとつの米粒が床に落ちました。

なんでピアノの部屋に米が!?頭が??でした。
よく思い出すと、数日前、台所でお米を研いだあと、急いでピアノのところに来て弾いたのでした。手のどこかに米粒がついていたのでしょう。そしてたしかグリッサンドの練習をしました。それで指についていた米粒が鍵盤の隙間から中に入ってしまったのですね。アクションのどこかに米粒がひっかかり、雑音を発していたのです。

調律師の方には米一粒のためにわざわざ遠いところ来ていただいて本当に申し訳なかったです。
そして私はとても恥ずかしく、反省しました。

ピアノを弾く前は落ち着いて、手をきれいにし、異物が付いていないか確かめること!

体と心の準備をしてから弾くこと!

2018年11月26日